開催報告|イベント「私たちが感じるジェンダー・ギャップ~会員アンケート結果の発表とこれからを考える~」

先日3月8日(水)は、国際女性デーでしたね。
ママノバは、国際女性デーにちなんだイベント「私たちが感じるジェンダー・ギャップ~会員アンケート結果の発表とこれからを考える~」を開催しました!
国連で制定されている国際女性デーの日は、1904年にアメリカで女性労働者が婦人参政権を求めてデモを起こした日。日本は、いまだに男女格差を図るジェンダー・ギャップ指数が伸び悩んでいます。(2022年の総合順位は146か国中116位)
そこで今回は、ママノバ会員のみなさんにジェンダー・ギャップに関するアンケートを実施!イベントではアンケート結果をもとに、「仕事」「家庭」「子育て」の各場面で感じるジェンダー・ギャップと解決策について、株式会社mogの代表・稲田明恵を中心に、ご参加いただいたみなさんと一緒に自由に話し合いました。
■ジェンダー・ギャップに関する事前アンケートの結果を初公開!
イベントは、ママノバ会員のみなさんにお答えいただいたアンケートの結果発表からスタート!「どんな回答が多かったのか?」を予想しながら、結果を発表しました。
▼ジェンダー・ギャップに関するアンケート
Q. これまで仕事/家庭/子どもの保育園・幼稚園・学校において、性別による差を感じたことがありますか。
<何度もあった|時々あった|あまりなかった|なかった>から選択
今回、こちらのアンケートには56人の方から回答いただきました。
みなさんは、どの項目が多かったと思いますか?
―気になる、ママノバ会員のみなさんのアンケート結果はこちらです!
特に、仕事・家庭において性差を感じることが「あった」と回答する人の割合が多い結果に!
事前アンケートの結果発表の後は、「どんな場面でジェンダー・ギャップを感じるか?」と「解決のアイデア」について話し合いました。
■仕事におけるジェンダー・ギャップは、どう解決していく?
【ジェンダー・ギャップを感じる場面】
・復職後もキャリアアップしたいのに、「子育てがひと段落してからがんばれ」と言われた。仕事と家庭の両立が難しいと感じる。
・男性と比較すると、女性が出世するスピードは緩やかに感じる。加えて、女性管理職がほとんどいない。
・上司から「女性管理職を増やしたいから、推薦する」と言われ、悔しい思いをした。
・女性が補助的な立ち位置など、性別における分業意識が組織の暗黙の常識になっていた。
【解決のアイデア】
・働き方の改革:男女関係なく、長時間労働の是正やフレキシブルな働き方の導入など、誰もが働きやすい職場環境にしていく必要がある。
・風土づくり:たとえ制度が用意されていても、制度を利用したり、多様性のある働き方を受け入れたりする風土がなければ解決しない問題だと思う。風土をつくっていくためには、今回のようなジェンダー・ギャップを考えるイベントや研修を開催することも効果がありそう。
・話し合いや自己開示:ジェンダー・ギャップを感じてきた発言の中には、相手が自分のことを気づかってくれていた発言もあるかも…。こちらからの働きかけや、必要であれば自分の気持ちを伝えてみる。
■家庭におけるジェンダー・ギャップは、どう解決していく?
【ジェンダー・ギャップを感じる場面】
・女性のほうがより多くの家事育児をすることが期待され、キャリアをあきらめざるを得ないこともある。
・保育園の送迎や、子どもが熱を出した時に仕事を休むなど、自分が対応することの方が多く、時短勤務からフルタイムへ切り替えられない。負担も大きい。
・仕事やプライベートにかかわらず、パートナーは好きなタイミングで飲みに行ったり、出かけたりしている。その一方で自分は、仕事の飲み会や出張なども周りとスケジュールを調整する必要がある。
【解決のアイデア】
・役割分担の可視化:パートナーにしてほしいことを付箋に書いて、目に入りやすいところに貼っておく(冷蔵庫など)。
・少しずつできる家事を増やしてもらう:家事が苦手なパートナーの場合でも、少しずつ相手に任せることを増やしていく。自分が土曜日に出勤を入れたり、子どもと出かけたりして、パートナーが家事をやらざる得ない状況をつくるのも効果的。
・育休の取得:妊娠中に『新しいパパの教科書』(※)を読んでから、パートナーの気持ちに変化があった。パートナーも育休を取得することで、日々の役割分担ができるように!
※NPO法人ファザーリング・ジャパン著『新しいパパの教科書』(学研プラス)はこちら
・時間の使い方の不平等感をなくす:お互いが1人になれる時間を定期的に設けることで、時間の使い方に対する不満を軽減する。
■子どもの保育園・幼稚園・学校におけるジェンダー・ギャップは、どう解決していく?
【ジェンダー・ギャップを感じる場面】
・保育園や学校における会話の中で、ジェンダーバイアスを感じる発言がある。
・保育園で「青は男の子の色」、「赤は女の子の色」と学んできた。
・行事や保護者会などは、「母親」の参加を前提にしているものが多い。一方で書類や代表者を書かせる欄などは、「父親」の名前を記入させるものが多くて違和感がある。
【解決のアイデア】
・自己投影をしない:「自分は数学が苦手だったから、この子も苦手」というように、親の自己投影を子どもにしないようにする。
・区別しない雰囲気づくり:運動会で学ランを着た女子が応援団をする、発表会で剣士の役を女子がするなど、性別で役割を区別しない雰囲気を大切にする。
・家庭でジェンダー・ギャップについて話す:「女子に教育は不要」といわれていた時代があったことなどを子どもに教えることも大事。家庭でジェンダーについて話す機会をつくる。
■事前アンケートでは「ジェンダー・ギャップを感じなかった経験」の声も!
ママノバ会員のみなさんにお答えいただいた事前アンケートでは、「ジェンダー・ギャップを感じていない/以前より感じなくなった経験」についてもお聞きしました!こちらでその一部を、ご紹介します。
【仕事】
・女性たちが声を挙げたことで、役職につけるよう是正された。
・男性の客室乗務員や、女性の車掌・運転士など、以前と比較すると、ジェンダーバイアスにとらわれない職業選択の機会が増えている。
【家庭】
・仕事人間だったパートナーが、2人目出産の時に育休を取得した。男性育休を取るのが当然な雰囲気の会社に転職したからかも。
・公園や病院などで、お父さんと一緒に来ている家庭を見かけることが増えた。
・家事・育児で必要なことはパートナーとすべて分担できている。
【子どもの保育園・幼稚園・学校】
・小学校に通う娘が、男女ともに「さん」呼びをしている。
・ランドセルの色。自分の時は、「赤=女子」と「黒=男子」の2色しかなかった。
・保育園では制服がなく、常に体操服。そのためスカートやズボンなどの、ジェンダー・ギャップは感じない。
ご参加いただいた方からは、「仕事と家庭どちらもがんばろうとあらためて思えるようになった、そんな社会をつくってくれたのは上の世代であることを感じました」という声も。
みなさんの“ジェンダー・ギャップを感じなくなった経験”がさらに増えていくように、今回イベント内で出てきた解決のアイデアも参考にしていただきながら、次の世代へバトンをつないでいけると良いですね♪
みなさんの育ってきた価値観や背景、職場環境などが異なる中でも、さまざまな意見が出てきたり、クスっと笑うエピソードが出てきたり…。難しい話題ながらも活発に、温かくみなさんで話し合うことができました。
今回ご参加いただきましたみなさん、ありがとうございました!
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