【男性育休の実態調査】育休を取るパパ4割、うち8割のママ満足

株式会社mog(ママ、お仕事がんばって!)は、mogのサービスにご登録いただいたワーキングママ(以下、ワーママ)に、育休・保活について調査しました。
<ご協力をいただいたママノバ会員のみなさま、ありがとうございました!>
2022年10月1日から施行された「産後パパ育休(出生時育児休業)」。出生後8週間以内に最大4週間まで、分割して2回まで休暇を取得することができる制度で、男性版の産休とも言われ、注目を集めています。今年の4月には事業者に育休の取得の意向を確認することなども義務化され、9年連続で増加している男性の育休取得率も「2025年までに30%」の国の目標に徐々に近づきつつある状況です。
このような背景を受けて、男性の育休について育休期間中に具体的にパパはどのようなことをしたか、またパパの育休取得についてママはどう感じたかなどを聞いてみました。
■約4割ものパパが育休を取得
この調査でママノバ会員であるワーママにパートナー(パパ)が育休を取得したかどうか確認したところ、39%が「はい」と回答しました。
厚生労働省の「令和3年度雇用均等基本調査(2022年7月発表)」では男性の育休取得率は13.97%だったので、ママノバ会員のパートナーに関してはそれよりかなり高い割合であることが分かりました。「雇用均等基本調査」によると、「金融業・保険業」は40.64%、「卸売業・小売業」は5.81%と業種によって大きな差があります。このように男性の育休取得率は契約形態や業種などによって割合が大きく異なる傾向があるようです。
パパは育休を取得した?
■男性育休の取得期間は1カ月程度が半数以上
パパの育休期間は「1カ月程度」が52%で圧倒的に高い割合でした。少し前までは1週間から数週間という期間も珍しくなかった男性育休ですが、取得率が増加しているだけでなく、育休期間も長くなっている傾向がありそうです。2カ月以上を取得している人も2割近くにのぼりました。
パパの育休期間は?
<フリーコメント>
・里帰り後2週間と、私の復帰・慣らし保育の1カ月間の2回、取得してもらった。
・ママの里帰り先からの帰宅に合わせたタイミングで3カ月間
■育休パパの担当は「家事全般」「家事・育児全般」合わせて半数
パパが育休期間中に家庭でどのようなことを担当したか聞いたところ、「上の子のお世話」が41%で最多となりました。また「家事全般」が32%、「家事・育児全般」が18%で両方合わせると50%となり、産後ママの負担をかけないよう、育休期間中は大半のパパが家庭で大きく活躍していることが分かりました。
パパは育休期間中、何を担当した?
<フリーコメント>
・授乳以外のすべて。授乳もミルクの場合は担当してくれた。
・上の子の保育園の送迎、料理全般。
・家事全般、子どもの風呂、夜間ミルクを交代で。
・私の体に負担がかかる掃除機がけ、トイレ・風呂掃除、ゴミ出し。育児は母乳後のミルクを担当。
・上の子の保育園送迎、習いごとのつき添い、お風呂、おむつ交換や着替えなど育児全般。下の子のお世話は私が担当。
■育休パパに「満足」のママが8割以上
パパの育休についてママに満足度を聞いたところ、81%のママが「満足」と回答しました。前項のパパの活躍からも分かる通り、多くのママがパパとともに育児ができたことに満足していることがフリーコメントからもよく分かります。
一方で、パパの場合は育休をどのタイミングで取るかなど反省の残る家庭も。また、パパも育休が長期化することで仕事のモチベーション維持などキャリアとのバランスに課題を感じる人もいるようでした。
パパの育休についてママの満足度は?
<パパの育休、満足の理由>
・産褥期は本当に体がつらかったので、横になる時間をつくってもらえたのがありがたかった。
・初めてのことをひとつひとつ2人で乗り越えてきたと思うから。
・夫婦で育児だけに向き合えて過ごせたことは今後の子育てにおいても貴重な時間だったと思う。
・夫が家にいたおかげで産後すぐに外に出る必要がなく、苦手な料理をすることもなく、ゆっくり過ごせたから。
・産褥期に新生児のお世話に集中できたため。
・最初の子であったことからいきなり1人で育児するのは不安だったので、2人で一緒に出来たのは精神的に助かった。
<パパの育休、不満の理由>
・1番きつかった生後3カ月まで取ってもらえばよかったと後悔している。
・仕事が減った生活に慣れてしまって、仕事に戻ったときにグチが増えてしまった。育休を取ったことで仕事へのモチベーションが下がったようで、会社を辞めないか心配になった。
■まとめ〜育児もキャリアも、夫婦でともに乗り越える時代に〜
この調査では、男性が育休を取ること、また育休期間中に家事・育児にかかわることが珍しくはないことが明らかになりました。育児や家事は女性がメインで、男性は補助という家庭像はもはや過去になりつつあります。
生後間もない赤ちゃんの育児をママと共同で乗り越えることで、その後の子育てや親子関係、夫婦関係にも良い影響を与えることが想像できる調査結果でした。
一方で、ママ側の不満として「(パパの)仕事のモチベーションが下がっている」というコメントも見られ、キャリアとのバランスに課題が見られました。
仕事を長期的に休むことで生まれるキャリアの負の側面は本人のモチベーションだけではありません。収入面や昇格スピードといった長期的なキャリアの影響などさまざま。
実際に当社の男性育休インタビュー(※)でも「数カ月〜1年という期間で休むと、その分の実績・評価がなくなり、キャリアとして停滞した状態とみなされます。完全なブランクとなってしまうので、昇進のスピードにも影響が出てしまうこともあるのではないかと感じます」と話すパパもいました。
育休でキャリアが停滞するといった懸念は女性でも長く課題として考えられてきました。男性も育休を取得することが当たり前になればキャリアとのバランスに悩む人が増えてくるのは必然と言えます。
とはいえ、女性だけが育児を負担し、キャリアを犠牲にする時代ではありません。
育児を夫婦で一緒に取り組むのであれば、キャリアも夫婦どちらかが犠牲になるのではなく、一緒に乗り越えるべき問題ではないでしょうか。
育休期間中は、夫婦で育児に取り組むのと同様にこれからどのように働くのか、どのようなキャリア選択するのかといったことも夫婦でよく話し合っておいたほうがいいでしょう。
人生100年時代といわれる今、これから長く続くキャリア人生において、数カ月〜年単位で取れる休暇の機会はそう多くはありません。当社が行った男性育休インタビュー(※)では、育児に負担のない範囲で夫婦で資格を取得したり、育休を経てキャリアを振り返り今後の目標を考えることができたというパパもいたり、育休期間をキャリア面でも有効に活用する方がいました。
夫婦で一緒に過ごせる貴重な時間ですので、育児とともにキャリアにプラスになる活動なども積極的に挑戦してみるのも良いかもしれません。
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