ダイバーシティ&インクルージョンを絵本で身近に!|ママノバライター

コラム
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今日も育児に邁進しているみなさま、いかがお過ごしでしょうか。ママノバライターのYMです。

「ダイバーシティ&インクルージョン」という言葉をよく聞くようになりましたね。教育やスポーツ、ビジネス、ひいては社会のありようとして目指す姿とされています。
ダイバーシティ&インクルージョンを私なりにまとめると、性別や年齢、人種、LGBTQなど、人には多様性(ダイバーシティ)がある。ある特定の人だけが「居心地がいい」のではなく、どんな人でも存在しやすいような受け皿(=包摂性、インクルージョン)がある社会にしたいよね、ということだと思っています。
でも「これって具体的にどういうこと?」さらに言えば、「未来を生きる子どもたちにこそ根づいてほしい考え方だけど、どうやって伝えればいいのかな?」と迷う方もいらっしゃるかもしれません。

どうやって?と考えた時に、私の身近にあったのは「絵本」でした。日ごろから子どもたちには、絵本を通じて幼少期のやわらかな心で想像をしたり、実際には体験し得ないことも感じ取ったりしてほしいと思い、絵本を読み聞かせる時間を大事にしてきました。

今回、紹介する7冊の絵本は、我が家でくり返し読んでいる、子どもたちのお気に入りばかりです。ダイバーシティ&インクルージョンの視点もあるけれど、何より楽しい絵本ばかりですので、図書館などで手に取って親子で楽しんでいただけるとうれしいです。


〇障がいの有無や、体の形にとらわれない生き方を感じる
おとうさんといっしょに(白石 清春ほか著、福音館書店)

https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=2215
電動車いすで生活しているおとうさんが、子どものあきくんを保育園へ送ることになった、ある朝の話です。
おとうさんの電動車いすは、いつもお母さんが自転車で送ってくれるよりも遅い。下り坂では早く進みすぎ、上り坂ではゆっくり。
あきくんは「おかあさんがいい」とべそをかいたり、上り坂でゆっくり進む車いすに「のろまなカメさん」と言ったりと、なかなか容赦ないですが(笑)、それこそ偏見なく日常としてとらえているからだと思います。
あきくんのフラットさと、おとうさんの不自由さを受け入れる感覚のバランスで、読み飽きない1冊です。


せっせせっせ(花山 かずみ著、福音館書店(こどものとも年少版 2020年8月号))
https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=6615
1人の子が園庭で、せっせせっせと砂のお山をつくり始めます。その姿を見て、次から次へと子どもたちがお山づくりに参加。やがて先生や、周囲の大人たちも一緒になってお山をつくります。お山はどんどんどんどん大きくなって…。けれども中には、お山づくりには参加せず、周りで動物と遊ぶ子もいたり。。
夢中になることは子どもも大人も関係ない。肌の色も宗教も、体の不自由さも関係ない。みんなと同じことをしなくてもいい「選択の自由」も描かれています。
「せっせせっせ」というフレーズも秀逸で、シンプルに夢中さを感じる言葉だと思います。我が家の子どもたちもなにかと「せっせせっせ」と言いながら遊んでいます。


〇LGBTQを知るなら
タンタンタンゴはパパふたり(ジャスティン リチャードソンほか著、ポット出版)

https://www.pot.co.jp/books/isbn978-4-7808-0115-6.html
家族の形は「お父さん、お母さん、子ども」だけじゃない。動物園での実話をもとにしたこの絵本は、家族の形はさまざまでも「1番大事なのは愛である」とシンプルに伝えてくれます。

ジュリアンはマーメイド(ジェシカ ラブ著、サウザンブックス社)
http://thousandsofbooks.jp/project/julian/
人魚にあこがれる男の子のジュリアンと、その気持ちを受け止めてサポートしてくれるおばあちゃん。文章がほぼ書かれていないにも関わらず、ジュリアンが抱くマーメイドにあこがれる気持ちが胸に迫ってくるのは、圧倒的に美しい絵だからこそだと感じます。

ピンクはおとこのこのいろ(ロブ パールマン著、KADOKAWA)
https://www.kadokawa.co.jp/product/322006000400/
子ども服を店舗で探している時など、いまだに「女の子はピンク 男の子は青」の固定概念が根深いなぁと感じることがありますが、この絵本は、他者からの押しつけではなく、自分の好きな色を存分に楽しんでほしいという作者の思いを感じる1冊です。
日本語に翻訳をしたロバート・キャンベル氏は「いろんな色で遊び、自分に取り込み、時々取り替えっこすることほど楽しいことはないでしょ。大きくなって、みんなのパレットが広がっていけばいいなと思いながら、この本を翻訳してみました」と紹介文を寄せています。


〇「自分も大切、相手も大切」のアサーションを知る
ママがおこるとかなしいの(せがわ ふみこほか著、金の星社)
https://www.kinnohoshi.co.jp/search/info.php?isbn=9784323070803
多様性の時代を生きるうえで、「自分も大切、相手も大切」というアサーティブなコミュニケーションは、より大事になってくるのではないでしょうか?
主人公のメグちゃんは、自分の「心のおくのおくの気持ち」を伝える大切さを知り、勇気をもっておかあさんに伝えます。自分(の気持ち)を大切にする、そして伝えるというアサーションの考え方に触れられる1冊です。
親である私にとっては、子どもの「心のおくのおくの気持ち」を聞き取るための「まほうのみみ」を忘れていないか?子どもの本当の思いを見過ごしていないか?と、胸が痛くなるほど深く問われ、たくさんの学びや気づきをもらいました。。


〇番外編(他者を大切にするには、「まず自分を大切に思う」という観点で)
あなたがだいすき(リザ ベイカー著、フレーベル館)
https://www.froebel-tsubame.jp/shopdetail/042001000033/
「あなたがあなただから、あなたがだいすき」(本文より)。
これまで、子どもに「あなたそのものを愛している」と伝えたい時に、どのような言葉にしたら子どもに伝わるか、悩んできました。親の言うことを聞くから好き、素直だから好きということではなく、「何をしたかではなく、泣いていても怒っていても、かんしゃくを起こしていても、あなたの存在そのものが愛されているんだよ」と伝えたかったのです。しかし、それを「プンスカしているあなたも好き」と伝えるのはしっくりこないなぁ…。
そんな時にこの絵本の「あなたがあなただから、あなたがだいすき」という言葉に出会いました。「私が子どもに伝えたかった思いだ!」と感激して以来、我が家の大事なフレーズになっています。

アイラブみー(NHK Eテレ)
https://www.nhk.jp/p/iloveme/ts/YNY4LQ6174/
「“ゲジゲジがすき”ってヘン?」「みんながたのしいルールって どんなルール?」など、価値観の多様性や、多様な考えの中でみんなが幸せに生きていくための方法について考える番組です。「5歳の子どもが学ぶ」ことをコンセプトに工夫をこらしており「自分を大切にすること」「他者を大切にすること」を感じるきっかけとなる番組だと思います。
自分を大切にするために、まずは自分を知る。10分の番組を観てそのまま終わりにするのではなく、「お子さんがどう感じたか」「一緒に見た(親の)私たちはどう感じたか」をおしゃべり(話し合いではないのでぜひ楽しく!)して、さらに学びや理解を深めると、プレゼンテーション力の基礎にもなるかもしれませんね。


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本コラムはママノバライターの寄稿記事で、個人の体験談をベースとしたものとなっています。
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