日揮パラレルテクノロジーズ|ボランティア受け入れ企業×ママ対談|それぞれの「得意」を活かすことが成果につながった

ママボランは、ボランティアという実践の場を通して、未来のキャリアにつながる経験をしたいと考えるワーキングママが、自社以外の企業や団体でボランティアをするサービスです。
今回は、ボランティア受け入れ企業の日揮パラレルテクノロジーズ株式会社(JGC Parallel Technologies Corporation、以下:JPT)の成川潤社長と阿渡健太副社長、そして同社でボランティア活動をしたあきこさん、ちひろさんに、ボランティア活動の様子や感想などを伺いました。
■お話を伺った人
日揮パラレルテクノロジーズ株式会社
成川潤社長、阿渡健太副社長
日揮ホールディングス株式会社が、グループ内の障害者雇用の促進と安定化を目的に100%出資の特例子会社として2021年4月に設立。グループ内のIT関連の業務支援に特化してて、積極的な障害者の採用活動を実施。社名には、障害の有無に関わらず、全ての人が対等 (parallel) で、社会的意義を感じながら持てる技術 (technologies) を発揮して働ける社会の実現を目指す、という意味が込められている。
コミュニケーションを取るのが苦手な方、音やにおいに敏感な方なども働きやすいよう、フルリモート・フルフレックス制を導入。すべての従業員が「得意なことを、納期に迫られず、自分のペースで進められる環境」を整えている。
ボランティア
お名前:あきこさん
年齢:37歳
現在のお仕事:小売業
参加時のお子さんの年齢/性別:6歳の男の子、3歳の女の子(在職中)
お名前:ちひろさん
年齢:31歳
現在のお仕事:医療ベンチャーの会社員
参加時のお子さんの年齢/性別:0歳4カ月の女の子(育休中)
成川さん:JPTはグループ内の障害者雇用の促進と安定化を目的に、日揮ホールディングスの特例子会社として2021年に創業しました。「障害の有無に関わらず、全ての人が対等(parallel)で、社会的意義を感じながら持てる技術(technologies)を発揮して働ける社会の実現」をミッションに掲げています。
障害者雇用というと、個々の適性に応じてそれぞれが、それぞれの部署に配属され、ほかの従業員と同様の人事制度で働くのが常ですが、JPTでは職種をITエンジニアにしぼり、全員を同じ配属にしています。
コミュニケーションを取るのが苦手な方、音やにおいに敏感な方なども働きやすいよう、フルリモート・フルフレックス制を導入しています。業務の進め方も、プロジェクトチームは組まずに、個人単位でアサインするスタイル。これらの取り組みによって、すべての従業員が「得意なことを、納期に迫られず、自分のペースで進められる環境」を整えています。
JPTを設立して1年経ったころ、私たちのミッションを達成するためには自分たちの取り組みをもっと発信すべきなのにできていないということや、フルリモートで働く社員同士の交流が少ないことなど、いろいろな課題に頭を悩ませていました。
阿渡さん:役員が私たち2人だけなので、できることに限界を感じ始めていて。やりたいことはたくさんあるのに、リソースが足りないと感じていた時期でした。
成川さん:ちょうどそのころ、知人からママボランを紹介してもらい、これは僥倖だ!と思ったんです。
当社は「障害者雇用」の事業が表に出ていますが、実際は障害の有無にかかわらず、すべての人が得意なことだけに取り組み、パフォーマンスを上げられる会社を目指しています。そのため、今回のボランティアの受け入れでも、単なる業務の依頼ではなく、ママさんたちが得意なことを活かして、ご自身にとってもプラスの機会になるようにしたいと思いました。
また、JPTのミッションや思いに共感して参加してくれるママたちなら、ボランティア活動を通じてJPTを応援してくれるコアファンになってもらえるんじゃないかと。これは私たちの事業において、20年30年先の未来にも貴重な財産になると思い、受け入れを決めました。
ちひろさん:私は現在、育休中です。本業はベンチャー企業に勤めていて、「何でも屋」のように広く業務を担当しています。特別な専門スキルもないと思っていて、こんな私でもほかの会社で役に立つスキルがあるのか、ということを試してみたくて、ママボランに参加しました。
ボランティア先を探していた時、成川さん個人のnoteの記事を読みました。そこには「特定の立場や状況にある人に対して、特別な優遇をするのではなく、障壁を取り除き、すべての人にとってフラットな環境をつくることではじめて多様性が尊重できる」という成川さんの考えが書かれていて。
私は最近、流行りみたいに「多様性」とか「配慮」という言葉が使われていることに違和感があったんですが、この違和感へのアンサーだと感じました。成川さんの考えに共感しましたし、障害者雇用についても興味があったので、何か力になれればと思い応募しました。
成川さん:noteを読んでくださっていたんですね。うれしいです!
あきこさん:私は育休から復職して数年経つんですが、本業・家事・育児以外のことで何かチャレンジできないかなと思い始めていました。ママボランのボランティアであれば、パラレルワークのような形で、本業では経験できない働き方が体験できるのではと思い、参加しました。
また、本業では社会課題について考えるセミナーの企画・運営をしているのですが、私個人としても社会を変えるためのアクションがもっとできないかなと考えていました。でも働きながらでは活動時間がなかなか取れなくて。偶然ママボランを知ってJPTの案件にめぐり合った時、「神が私にやれと言っている!今しかない!」と思って応募しました(笑)。
成川さん:まずはキックオフミーティングで、JPTの事業や課題をお伝えしたうえで、こちらから一方的に業務依頼をするのではなく、それぞれがやりたいことを聞きながら進めていきたいという方針をお話しました。
あきこさん:成川さんから課題として伺った「組織開発」が、私自身がやりたいことと重なったので、そこを担当させてもらいました。従業員全員がフルリモート勤務、かつ個人単位で業務を進めているため、従業員同士が交流する機会が少ないとのことで、研修を提案しました。
そして実際に2つの研修を実施。JPTのミッションを社員が自分事としてとらえる研修を2回、社員同士のコミュニケーションを活性化させる研修を1回です。
それぞれ企画から当日の運営、終了後のアンケートなど一連の流れを任せてもらいました。参加いただいた社員の方からのアンケートには、「会社のミッションをあらためてインプットする機会や、メンバー同士で交流する場面が少なかったため、有意義だった」という声が多くて、うれしく思いました。
成川さん:組織開発の研修の必要性はずっと感じていたのですが、リソース不足によりなかなか手がつけられていませんでした。今回、あきこさんから案を出してもらい「視座を上げて会社のミッションを自分ごと化していく研修」と、「足元の課題解決のためのコミュニケーション研修」を同時並行で実施できたことがバランスもよく大変ありがたかったです。あきこさんには、これまでの経験を存分に活かしていただき、大変助かりました。
ちひろさん:私は、本業でこれといった専門性があるわけでもなく、当初どんなことができるか悩んでいましたが、成川さんから好きなこと・得意なことを見つけようとお話いただきました。そんな中で、JPTのミッションが対外的に発信できていないという課題をお聞きしました。
広報・発信業務は、これまで本業で携わったこともあり、得意な業務でもあったので、思い切ってやってみたいとお伝えして。JPTの企業アカウントを作るところから始め、成川さんや阿渡さんのインタビュー記事を、週1回程度更新しました。
あきこさん:この記事、めっちゃすごいんです!
成川さん:本当におそろしいほどすごい(笑)。ちひろさんのnoteでの発信は、ミッションの実現に不可欠な活動でした。私たちの掲げるミッションを実現するためには、今JPTで実践していることをリアルタイムで発信することが、社外からの信用や共感につながる重要なポイントだと思っていて。でも私たちだけでは、ここまでのアウトプットはできなかった。こちらが思っていた以上のすばらしいクオリティで発信いただきました。
阿渡さん:お2人には、ふわっとした課題しか提示できていなかったのに、それぞれご自身で考えて、ゴリゴリに進めてくれて、本当に助かりました。
―ボランティア活動をしてよかったと思うことを教えてください。
ちひろさん:リアルタイムでフィードバックがどんどんくるというのは、これまで経験がなかったので新鮮でした。こちらの提案やアクションに対してすぐ反応がもらえるので、業務を進めるうえでのモチベーションが上がりましたね。
実は正直、仕事ってあまり好きじゃなくて、つらいものというイメージだったんです。でも、JPTには一人ひとりの得意なことで成果を出せるような仕組みがあって、社長である成川さんが「仕事が楽しいと思える環境をつくること」を体現していて、そういう環境で業務をさせていただくことで、仕事に対するイメージが大きく変わりました。
あきこさん:私の場合、本業では日々「やらなければならないこと」もたくさんある中、ボランティア活動では「自分がやりたいこと」を、会社のミッションにコミットする形で進めることがこんなに楽しいんだと実感しました。
やらなければならないことをやるのではなく、やりたいことだけをやって、それが仕事になるというJPTならではの体験ができました。心の底からやりたいと思ったことに集中して取り組めることがシンプルに喜びでしたし、本業も含めてそういう時間の使い方ができるようになりたいと思うようになりました。
一方で今後の課題も見つかりました。これまで、本業で任されているひと通りの仕事はできるという自信を持っていましたが、もっと専門性を身につけていかないと、やりたいことがあっても貢献できることが限られているんだと気づきました。
たとえば、本業でも研修の企画・運営はしていましたが、当日の進行は経験がなく、本業でやっていれば今回のボランティア活動でももっと役に立てたのにと歯がゆかったです。これから自分の引き出しをもっと増やしていきたいという気持ちが強くなり、本業へのモチベーションも上がりました。
ちひろさん:今回、あきこさんと一緒に活動できたのもとてもありがたかったです。業務上のちょっとした相談も気軽にできて心強かったです。あきこさんがボランティア活動を楽しんでいる様子も伝わってきて、刺激にもなりました。こういう出会いの場をつくってくれたママボランもありがとうという気持ちです。
阿渡さん:実はママボランについて知った時は、週5時間程度という限られた時間のボランティア活動という中で、どれだけアウトプットを出してもらえるか未知数でした。でも、お2人には思っていた以上の成果を出していただき、なくてはならない戦力になっていただき、本当に感謝です。
成川さん:お2人が、我々創業メンバーと同じメンタリティで向き合ってくれて、さらに発揮してくれたパフォーマンスがすさまじい!あきこさんの担当してくれた研修も、ちひろさんの担当してくれた広報も、「重要度は高いけど緊急性は低い」分野で、お2人がいなければまだ手をつけられていなかったと思います。
また何よりうれしかったのはお2人が、ママボランとしての活動期間終了後もかかわり続けてくれると言ってくれたことです。JPTのことをこんなにもよく理解していただき、共感していただいているお2人に、引き続き愛着を持ってかかわっていただけることがとてもうれしいです。
あきこさん:JPTさんにジョインできてすごくよかったです。JPTのみなさんや一緒にボランティア活動をしたママさんたちとの出会いによって、人生がすごく豊かになったと感じています。
経営者である成川さん・阿渡さんと直接やり取りさせていただくことで、普段の仕事では得られない事業経営の視座を得られたことも貴重でした。自身のやりたいことに取り組み、他社視点で成果を認めてもらえる体験によって、これまでの仕事観も大きく変わりました。
ちひろさん:どんなことで役に立てるか分からないと思って始めたボランティア活動でしたが、自分が得意としていたことをスキルとして認めてもらえるんだということが大きな発見でした。
成川さん・阿渡さんからポジティブなフィードバックをたくさんいただき、それがモチベーションになりましたし、自己肯定感も爆上がりでした(笑)。キャリアに悩んでいる方や、マミートラックへの不安を抱えている方にも、とてもおすすめです。
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