ワーママが働きやすいと感じるのは、週4日のリモートワーク

コロナ禍を経て、働き方のひとつとして定着してきたリモートワーク。ワーキングママからは、通勤時間が減ったり、家事との両立がしやすいという一方で、コミュニケーションの希薄化や成果が見えづらいといった声も上がっています。
ワーママはどれぐらいリモートワークをしていて、それが仕事と育児の両立にどのように影響しているのでしょうか。働きやすさの鍵となりそうなリモートワークの実態について、mog会員のみなさんのアンケート結果から解説します。
コロナ禍の後、リモートワークの日数が減った人は5割弱
アンケート結果によると、コロナ禍が落ち着いた2023年度以降で、1週間あたりのリモートワーク日数が減った方は全体の5割弱でした。
コロナ禍でのリモートワーク日数の平均は2.5日、コロナ禍以降は2.3日でした。コロナ禍は週5日のフル・リモートワークだった人が21%、4日が20%、3日が9%、2日が15%、1日が9%、0日のフル出社が25%でした。1日以上のリモートワークであった人を合算すると7割強に。一方、コロナ禍以降は週5日のフル・リモートワークが18%、4日が12%、3日が17%、2日が13%、1日が10%、0日がフル出社が29%でした。
個別に日数の増減を見てみると、先に述べた通り日数としては減っている人が全体の5割弱という結果に。1日減った人がもっとも多い6割となり、次いで2日減ったという人が3割でした。ワーママにとっては、この1日2日の減少が大きな違いとなっている側面もありそうです。
リモートワーク日数が増えたとしても、働く時間がフレキシブルでないと不満
また、リモートワーク日数が増えても働き方に満足していない人が約半数おり、リモートワーク日数の増加が働き方の満足度に直結する人ばかりではないことが分かりました。満足していない理由としては以下が挙げられます。
・フレックスタイム制など、フレキシブルに働けるようにしてほしい
・早朝や夜間など、育児が落ち着いている時間帯にも就業できるようにしてほしい
・子どもの体調不良によるリモートワークを許可してほしい
リモートワークの日数が増えたとしても、就業時間がフレキシブルでないと、仕事も育児も納得いくレベルで両立することは難しいと感じるワーママの声が見られました。
また、リモートワークが増えても働き方に満足していない人のうち、半数は短時間勤務をしていました。その人たちが不満に思う理由を挙げてもらったところ、「時短勤務せざるを得ないから」という理由を全員が選択。リモートワークの日数よりも、時短勤務による評価のされにくさや仕事の制限などが満足度を左右することが言えそうです。
週に1日でもリモートワークができるといい
一方で、リモートワークの日数が減った人はどのようにとらえているのでしょうか。リモートワークが減ったのは、「会社または部署の方針」という理由が7割を占めていました。
働き方への満足度を見ると、リモートワークの日数が減った人のうち4割は満足しているという結果に。
リモートワークが減っても働き方に満足している人と、満足していない人を比較してみると、満足している人はみな1日以上のリモートワークをしていることが分かりました。反対に、満足していない人の4割がリモートワークをまったくしていませんでした。
また、満足している人の8割がフルタイム勤務だったのに対し、満足していない人のフルタイム勤務は6割にとどまり、残り4割は時短勤務を選択。
これらのことから、リモートワークは最低週に1日できれば働き方に満足できる余地があることがうかがえます。さらに、リモートワークの日数に関係なく働き方に満足できる要素として、フレックス勤務などの柔軟な働き方と、働き方にかかわらずしっかり評価してもらえる人事制度が挙げられそうです。
ワーママの理想のリモートワーク日数は週に3日以上
ワーママが理想としているリモートワーク日数はどれぐらいなのでしょうか。アンケートによると、理想のリモートワーク日数は、1週間あたり4日と5日の回答が全体の5割に達しました。3日までを入れると全体の8割になります。
また、実際のリモートワークの日数と今の働き方への満足具合は何か関係はあるのでしょうか。
リモートワークが4日以上の人は7割が働き方に満足していることが分かりました。一方で、リモートワークがまったくできていない人のうちおよそ9割が働き方に満足していないという結果に。さらに、リモートワーク日数と転職意向の関係性について見ると、リモートワークが週3日以下になると転職意向が6割を超えることが分かりました。一方でリモートワークが週4日以上だと、転職意向は半数以下となります。
これらの結果から、ワーママとリモートワークの関係については以上のことが言えます。
・ワーママの理想のリモートワークに数は週に3日以上
・リモートワークがまったくできないワーママのうち9割は今の働き方に満足をしていない
・週に4日以上リモートワークができていると、働き方へに満足している人の割合が7割を超え、転職意向も半数以下に
・リモートワークの日数が週に3日以下となると6割以上の人が転職意向を持つようになる
パートナーの週4日以上のリモートワークは、ワーママの働き方への満足につながる
最後に、パートナーのリモートワーク日数について見ていきます。パートナーの週あたりのリモートワークの日数と、ワーママ本人の働き方への満足度合の関係性を示したグラフは下記の通りです。
パートナーが週4日以上リモートワークをしている場合、働き方に満足しているワーママが半数を超えています。ワーママ自身の働き方の満足度はさまざまな要素がからみ合っているので、必ずしもパートナーのリモートワーク数がすべてではありませんが、このアンケート結果から、パートナーのリモートワーク日数が多いことが、ワーママの働き方の満足度にはつながっていると言えます。
パートナーが週4日以上リモートワークをしている人の詳細を見ると、勤務時間に関しては、ママ側よりもパートナーのほうが遅い時間まで働いているケースがほとんどでした。一方で、パートナーがリモートワークをしている家庭は「2人でコミュニケーションを取りながら家事や育児を協力している」という声が数多く見られました。パートナーがリモートワークができると、勤務時間が長くても夫婦で協力し合える状況が見えました。
パートナーがリモートワークを1日もできていない人は、全体の半数以上という結果に。また、パートナーの理想のリモートワーク日数については、「3日以上」の回答が全体の半数にも満たないという結果となりました。ワーママ本人は8割が3日以上を希望するのに対して少ない数字に。自分のリモートワークの理想の日数よりも、パートナーの理想の日数を少なく答えた人について、夫婦の働き方に関する設問への回答を見てみました。
・夫はほぼリモートワークはできない仕事
・夫がリモートワークでも拘束時間が長く、家事・育児ができるとは限らないので結局私がやることになるのが精神的にも肉体的にも疲れる
・私が夕方から夜の家事をしたいので
・自分がリモートワークすることで子どもが安心するので、その点で満足
・自宅があまり広くないため、夫婦でリモートワークになってしまうと手狭になるため、夫は出社のほうがありがたい
このように、そもそもパートナーの働き方を変えることは現実的に難しかったり、家にいても家事・育児が分担できないなど、夫婦ともにリモートワークができることだけが理想ではないことが伺えました。
まとめ - ワーママが納得できる働き方をするために、リモートワークの活用は欠かせない
アンケート結果から、リモートワークがワーママの働き方やその満足度にどのように影響しているのかを見てきました。
ワーママが週に4日以上リモートワークができると、働き方への満足度や転職意向が変化することが明確に分かりました。また、パートナーも週に4日以上リモートワークができると、ワーママ本人の働き方への満足につながることがうかがえました。
リモートワークと合わせて、フレックスタイムなどで働く時間が柔軟であると、仕事と育児の両立がよりスムーズということも。また、そもそもリモートワークができたとしても、時短勤務はワーママにとって満足度が低くなる要素であることも明らかになりました。
また、リモートワークがまったくできていない人の9割が働き方に満足していないことから、まずはリモートワークが週に最低1日でもできることがワーママには必要なことだと感じます。
みなさんの働き方や満足度は、今回の結果と比較していかがでしょうか。ママリブラにご登録いただくワーママの中にも、働き方を見直したい方や、リモートワークができる会社への転職を希望している方もいます。今の働き方やキャリアに満足できないところがあれば、今回の調査結果を1歩を踏み出すきっかけにしてください。
※調査について
・調査対象:mogの会員・年齢:20代 5%、30代 66%、40代 28%、50代〜 1%
・雇用形態:正社員 88%、契約社員 7%、アルバイト・パート 2%、派遣社員 3%、業務委託 1%
・業界:IT・通信 20%、メーカー(素材・化学・食品・化粧品・そのほか) 9%、人材サービス・アウトソーシング・コールセンター 9%、医薬品・医療機器・ライフサイエンス・医療系サービス 7%、公社・官公庁・学校・研究施設 7%、メーカー(機械・電気) 7%、金融 7%、そのほか 7%
・職種:事務・アシスタント 18%、人事 13%、マーケテイング・商品企画・広告宣伝 11%、経営企画・事業企画・営業企画 10%、IT系エンジニア 7%、法人営業 7%、公務員・教員・農林水産関連職 6%、そのほか企画・管理系 6%
・子どもの人数:1人 46%、2人 43%、3人 7%、4人以上 1%、妊娠中 3%
・第1子の年齢:0〜6歳 70%、7〜12歳 23%、13歳〜 7%
・調査期間:2023年8月15~31日
・調査方法:Web上でのアンケート
みんなからのコメント
ログインが必要です